この映画は、曖昧さと圧倒的なサウンドトラックが光る素晴らしい戦争映画だ。しかし、観ていて「男の映画」という概念について考えさせられた。ここでいう「男の映画」とは、派手なアクションやマッチョさを描く作品ではなく、男として生きることの困難や心の病理を描く作品を指す。私は、男性として家父長制の社会で生きる以上、少なからず歪んでしまう部分があると思う。この映画には女性キャストがほとんど登場せず、それ自体がある種作品のテーマと呼応している。自分が正しいと思い込む妄想的な男たちの犠牲者として、私たちは皆、何かしらの影響を受けているのだと。しかし、誰も正しくはない。
© 1983 - Shochiku Fuji