これまで観た映画のなかで、一番心が穏やかになる作品だった。特に大きな出来事が起きるわけではないけれど、それがちょうどいい。浅野忠信は私のお気に入りの俳優の一人で、彼の役はただ列車の音を録音しながら街を歩くだけ。ヒロインは亡くなった作曲家がよく訪れていた場所を探して歩き、二人で一緒に探索する場面もある。刺激的な展開はまったくないけれど、それがまた心地よい。私は絵を描くときにこの映画をBGM代わりに流すこともある。だから「Fireworks Girls」の題材としてこの映画を選んだ。
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