ここ数年、アニメの現状にはフラストレーションを感じていたので、『ショート・ピース』が上映されると知ったときは本当に興奮した。これは、サンライズと4人の監督による4本の短編コレクションである。物語自体はどれも典型的で、それよりも映像表現の凄さで観客を惹きつける印象だ。例えば大友克洋の『火要鎮』では、封建時代の禁断の恋というよくある話を描いているが、驚くほど精緻なテクスチャや、伝統的な日本画に見られる俯瞰視点を駆使して、観客を魅了する。ほとんどの作品に共通して感じるのは、「これが3Dモデリングと2Dアニメーションを正しく組み合わせる方法だ、しっかり見て学べ!」というメッセージ。『九十九』はその最たる例で、映像の迫力は圧倒的である。
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