白状すると、ウォン・カーウァイの映画は観ていてかなり退屈に感じることがある…。それでも、彼の作品作りの巧みさや歩んできた歴史には敬意を抱いているし、撮影監督クリストファー・ドイルとの強いパートナーシップも、観続けてしまう理由の一つだ。さて、『2046』では二つの物語が並行して進む。一つは『花様年華』(ウォン・カーウァイのなかなか面白い映画)のゆるい続編で、もう一つはその主人公の作家が作中で書いているSF小説の物語だ。映画がSF世界から始まるに、ほとんどが前者の世界で展開されるのはとても残念だった。SFの世界は本当に魅力的なのに!多くの人々がタイムトラベル列車に乗り、時間が無限に続く2046年を目指す。しかし、一人の日本人男性だけは2046年から列車で戻ってくる唯一の存在だ。列車に乗る女アンドロイドたちは、作家のこじれた恋愛を象徴している。映画自体は悪くないが、前者の物語で作家が女と関係を持っては捨てる場面が2時間続くのは疲れた。むしろアンドロイドたちや、その故障の描写のほうがずっと面白かった。
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